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中古バイクの高騰いつまで続く

2023年半ばから価格に落ち着きが見えるように

中古バイクはここ数年、かなり取引価格が上がっていました。
それにはいくつかの事情が関係しています。
新型コロナウイルスの影響によって、多くの人が電車やバスでの移動を控えて、自分で移動することが増えたのがその一つです。
自動車を購入するのは負担となりますので、より経済的に移動できるバイクを購入する人が増え、需要が大きく伸びました。

同時に、世界的に生産活動が冷え込んで、バイクの製造工場の活動縮小が見られました。
さらに、半導体の供給がかなり制限されたというのも関係しています。
半導体はバイクパーツの中でも、エンジンユニットの制御やパネル類の構成として欠かせないものです。
そのため、製造準備が整っているとしても、重要なパーツが手に入らないということで製造にストップがかかってしまったのです。

新車の製造と供給が間に合わなくなり、そうなると、新車を購入しようとしていた人もすぐに手に入る中古バイクの購入に流れることになります。
買い手と資金が中古市場に流れたため、全体として中古バイクの価格が上昇したというわけです。

しかし、その悪い流れもコロナ禍の収束によって次第に収まってきました。
世界全体の製造ネットワークの安定化がなされるようになり、次第に中古市場にも落ち着きが見られるようになります。
それがはっきりとしたのが2023年の半ばで、たいていの車種で価格が横ばいとなっています。
とはいえ、まだまだ以前と比べると中古価格は高い状態と言えるでしょう。

新車の供給が安定してきたことが原因

こうした中古市場の落ち着きに大きく影響しているのが、新車の供給が順調になされるようになったということです。
各バイクメーカーも各国での生産拠点の本格始動を終えていますし、新しいモデルの開発にも力を入れています。
そのため、価格が上がっていた中古の状態で購入するよりも、新車で買った方が良いという人が増えてきたのです。

新車の供給が元通りになりつつありますが、メーカーの販売規制はそれほど緩くはなっていません。
というのも、メーカーとしても大型モデルは収益性が高いため、代理店などに卸すことなく、できるだけ直営店での販売をしたいと思っているからです。
そのため、新車の供給が安定したといっても、購入できる場所が元通りになったというわけではありません。
大型クラスについては、コロナ前と比べると限られた店舗でしか購入できなくなっているモデルもあります。
このように生産事情は回復しつつありますが、別の事情で供給に制限がかかっている面もありますので、価格の動きについてはこれからの動きに注意を払っていく必要があります。