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2020年はバイクによる事故が増える

コロナの影響でバイクの売れ行き好調

熟年ライダーやバイク関連業種で働いている方なら、国内でのバイクの売り上げが、長らく低迷していることはよくご存じのことでしょう。
しかし昨今、小型2輪の売れ行きが好調で、逆に売り上げが伸びてきているといいます。
昨今の話題といえば、新型コロナウイルスのことが、先ず最初に挙げられますが、この影響でバイクの売り上げが伸びていると聞くと、なんだか不思議な気分になります。

なぜ、昨年から、小型2輪の売り上げが伸びているのがというと、いくつかの理由があります。
まず、通勤や通学で単独行動ができること。
そして、都会の雑踏から離れ、気軽に旅行など自由行動ができるという点が、バイク人気の真相のようです。

東京がワーストを更新

国内で、小型2輪のバイクの売り上げが伸びる一方、頻繁に不要不急の外出が強いられている東京では、バイクによる交通事故死亡が例年になく多いといいます。
警視庁2020年度の統計では、東京都が全国ワースト1で、実に53年ぶりの記録となりました。
53年前というと、1967年のこと。日本の元号では、昭和43年ということになります。

この時代は、ちょうど高度成長期にあたり、車が庶民のものとなり、急速に車社会へと移行していた時代です。
この記録となった要因には、バイクの死亡事故が増えてしまったことにあります。
なぜ、このような不名誉な記録が塗り替えられたのでしょう。
その背景には、道路の渋滞が減り、スピードの出し過ぎが要因ではないかと推測されています。

バイク事故の考えられる原因

続いて警視庁の報告データを見ると、確かに死亡事故が増えているのは事実です。
ですが、東京都の交通事故自体は、減っているというのです。
何やら、不思議な違和感に駆られながら、さらにデータを見てみると、確かに2019年のデータでは交通事故は3万467件でしたが、2020年では2万5642件とかなり減っていました。

さらに負傷者数を見てみると、2019年が3万4777人、そして2020年では2万8888人と、かなりの減少率です。
ではなぜ、死亡事故だけが増えてしまったのか、その理由として挙げられるのが、前項でふれたように、交通量の減少でスピードが出しやすくなったこと。
そして、コロナ渦の影響で、交通安全教室やイベントなどが、行えなかったからというのが警視庁の見解です。

大切な命を守るために

ここまでの解説で、国内での小型バイクの売上上昇と、東京都の事故の増大が、全く無関係ではなかったことは想像できます。
バイク死亡事故の年齢層を見ると、40代以上が特に多く、リターンライダーも随分と増えているといいます。
確かに、通勤や通学に、小回りのきくバイクであれば、乗用車よりも利便性は確実に高いといえます。

ですが、他人を避け、3密を防ぐためにバイクに乗ったとしても、交通ルールを守ならければ、重大な事故につながってしまいます。
自分一人ならまだしも、他人を巻き込むことのある交通事故は、安全運転することで十分に回避する事が可能です。
大切な命を守るためにも、ルールとマナーは確実に守っていきましょう。