ステアリングヘッドをメンテナンスしよう
バイクにおけるステアリングヘッドの重要性とは?
バイクの走行性を左右するパーツというのはたくさんありますが、その中でも操作感に直接関わるのがステアリングヘッドです。
ライダーはバイクを操作する時、自動車のようにグルグルとステアリングを回してコントロールするわけではありません。
ボディーコントロールとちょっとしたハンドル操作で、自動的にステアリングが切れていく仕組みになっているからです。
そのため、ライダーの感覚に合った形で、スムーズに軽くステアリングが動作する必要があります。
この滑らかな動作を実現するのが、ステアリングヘッドの役割です。
もしステアリングヘッドが劣化していたり調整が悪かったりすると、無理に力を入れてハンドルを動かさないといけなくなったり、ガタガタと不自然な動作をしたりします。
とても繊細なバランスを保っているパーツですので、しっかりと整備しておくことが求められます。
ステアリングヘッドは、主にベアリングで成り立っているパーツです。
上下で1セットのベアリングが内部に取り付けられていて、このセットでフロントパーツのすべての荷重やコーナリングの際にかかるGなどを受け止めているわけです。
それだけに、ステアリングヘッドは負担が大きくかかり、劣化しやすいところでもあるのです。
安全かつ快適な走行を保つためには、定期的にステアリングヘッドの点検や整備をしなければなりません。
ステアリングヘッドのメンテナンス方法について
ステアリングヘッドのメンテナンスは、基本的にステアリングナットの調整とグリスアップとなります。
この作業自体はそれほど難しいものではないのですが、問題はパーツの中心部であるベアリングが内部に封入されているという点です。
外部からはグリスアップなどはできませんので、一度パーツをすべて分解しないといけません。
また、ステアリングヘッドはフロント周りの他のパーツと連結していますので、必然的にその他のパーツとも切り離す必要があります。
こうしたことから、メンテナンスに関する技術と知識を持っていないと難しい作業です。
一度ばらしてしまうと、元通り組み立てるのも難しいことがありますので、自信がないのであれば無理せずにバイクショップに依頼した方が安心でしょう。
もし自分でステアリングヘッドを分解することができるのであれば、ベアリングを構成するボールとそれらを支えるリング状のパーツ、軸などに分離することができるはずです。
それぞれのパーツの油汚れなどを洗浄してから、ベアリングなどに摩耗がないかをチェックします。
もし摩耗がひどいようなら交換が必要し、その後、グリスアップします。
組み立てる際にステアリングナットの締め具合を見ながら作業することが重要で、というのも、締め調整によって微妙なフィーリングが変わってくるからです。