納車整備とは何をしているのか
バイク購入時の行われる整備が納車整備
納車整備というのは、バイクの購入が決まってからお客様に納車する前に販売店で行う整備のことです。
バイクによっては、店舗に展示され始めてからある程度期間が経っていることもあります。
そのうちにパーツの劣化が進んでいる可能性もあるわけです。
また、車検がいらない小排気量のバイクなどは、確実に定期点検をしてきたかが分からないケースもあります。
そこで、きちんと整備された状態で納車できるように事前に販売店で整備をするわけです。
こうして、状態の良いバイクを引き渡せるというわけです。
納車整備は法律で定められている整備ではありませんので、どんなことをすべきか決まっているわけではありません。
しかし、たいていのバイクショップでは分解整備記録簿の項目に沿って実施しています。
この記録簿は車検時に提出が必要となる法定点検についての記録簿で、ボディーやエンジン、足回りなど、すべてのパーツの状態をチェックする項目が記載されています。
この記録簿を見ながら、それぞれのパーツが正しく機能しているか、状態が悪くなっていないかを確かめているわけです。
納車前に行う整備内容とは?
実際にどんな整備をするのかというと、まず消耗品のチェックと交換をします。
エンジンオイルやブレーキフルードなどを新しいものに交換したり、スパークプラグの錆などが来ていないかを見ます。
他にも、エアークリーナーやブレーキパッド、バッテリーなどをすべてチェックしていきます。
特に問題がなければ掃除をして終わりですが、摩耗などが見られる場合は交換することになります。
点検をしていく際にはパーツを分解しますので、作業をしながら洗浄も実施します。
外から見るときれいな状態であったとしても、パーツの内部や奥にあるものなどは汚れが溜まりやすいこともあります。
そこで、分解したついでに油汚れや鉄粉などを除去していくわけです。
こうして、単にパーツの状態が悪くないかを確かめるだけでなく、より快適な走行ができるように仕上げていくのが納車整備というわけです。
さらに、熟練の整備士はより状態を高めるためのメンテナンスもしていくことがあります。
特に、ブレーキは走行性にも安全性にも大きく関わる重要なパーツですので、パッドの減り具合を見て早めに交換することがあります。
交換が必要ないとしても、次の交換までどのくらいなのかを把握して、納車する時に伝えられるようにします。
また、ブレーキの感覚が完全でない場合、「揉み出し」という洗浄作業をしてよりスムーズにブレーキをかけられるようにします。
こうすることで、納車されて乗るライダーが買ってよかったと思えるようなバイクに仕上がっていくわけです。